リスクを減らす太陽光パネル選び 太陽光パネルを発光ダイオードにしてしまえばいいじゃない

メーカーの違う、同じ250Wの出力を持つ太陽光パネルA,Bがあった時に
どちらが価値があるか。太陽光発電に投資しようとするものであれば
誰もが気になるところでしょう。
JISで定める太陽電池モジュール(太陽光パネル)の
基準は以下のとおりとなります。
日本工業規格 (JIS)が定める太陽電池モジュールの出力特性
開放電圧 (Voc) 公称開放電圧の±10%
短絡電流 (Isc) 公称短絡電流の90%以上
最大出力(Pm) 公称最大出力の90%以上
最大出力動作電圧 (Vpml  受渡当事者間の協定による
最大出力動作電流 (Ipm)  受渡当事者間の協定による
曲線因子 (FF) 受渡当事者間の協定による
モジュ ール変換効率 受渡当事者間の協定による
細かいことは特に知る必要はありません。
それぞれ数値が大きければ優れた太陽電池モジュールで
あるということになります。
冒頭での例のようにA社製、B社製のパネルがあったとすると
JISの規格によれば出力は225W以上であればいいことになります。
機械で作るからと言って全て同じ物が出来るわけではありません。
同じメーカー製であっても出力には1~2%程度の差異が出てきます。
この平均値が少しでも高いメーカーがわかればいいのですが
残念ながら私の手元にそのようなデータはありませんし
企業秘密なのでこれから先も知る方法はないでしょう。
まずは同じ出力の表記でも出荷時から出力の
ばらつきがあることだけ覚えておいてください。
【検査体制でメーカーを評価する】
ではなぜばらつきが出てくるのでしょうか。
太陽電池モジュールはセルと呼ばれる小さな太陽電池が
直列に繋がって形成されています。
光が当たると発電する乾電池が直列に繋がっているようなものです。
その一つ一つのセルは非常に繊細なものなので
製造の工程でヒビ等が入ることがあります。
もし一つ25個つながった電池が1個だけ8割しか
発電できなかったとしたらどうなるでしょうか。
通常25の能力があるものが24.8しか
能力を発揮しないことになります。
先ほどの250Wの製品で考えれば欠陥品は248W。
JISの規格はクリアしてしまいますよね。
しかし元々ヒビが入っているパネルは
どんどん劣化して出力が低下するだけではなく
電流を流れにくくしてしまうので時間とともに
このパネルは急激に劣化していくこととなります。
もちろんメーカーは集荷前に実際に光を当てて
発電テストをしますが、影響が小さいうちは
欠陥のない製品と判断されてしまう可能性が高いでしょう。
そこで登場するのがEL検査です。
【太陽電池を光らせて欠陥を発見する】
EL検査のELとはエレクトロルミネセンスの略。
EL検査とは単純に言えば太陽電池に電気を流して
光らせる検査方法です。
これは発光ダイオードを光らせる反応と同じ原理です。
実は太陽電池と発光ダイオードは、原理的には同じで
逆に発光ダイオードで発電はできます。
もちろん前者は光を吸収しやすいように、
後者は光を放出しやすいように組成を変えているので
逆の反応は非常に微弱なものとなりますすが。
このEL検査で光った太陽電池を特殊な装置で見ると
前述の太陽電池モジュールに入ったヒビを
発見することができます。
EL検査をやっていないメーカーは今時ほとんどないそうですが、
やっているといっても何枚か抜き取りでやる検査と
全量検査とではもちろん信頼性が違いますよね。
日本の国内主要メーカーは全て全量検査ですが
海外メーカーは抜き取り検査のみのメーカーも多いようです。
もし皆さんの中で自分の使おうとしているメーカーのパネルが
全量検査をしているか気になるようでしたらご連絡ください。
私の知っている範囲ですが答えさせて頂きます(^^)

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