50kW太陽光発電所を分散させて設置しても
高価な蓄電池を入れなければ電力の安定供給が
出来ないからやはり原発は必要だという意見を
未だに目にすることがあります。
これはちょっと乱暴な意見ですね。
そもそも原発も電力需給に合わせた発電はできません。
電力が不要な時間にも電気を作り続ける原発を
有効活用するために、電力会社は様々な努力を指摘ました。
夜に使わない電力を水の位置エネルギーとして蓄えて
昼に改めて水力発電をする揚水発電。
ピーク需要に短時間で対応するため年々、起動時間を
短くすることを求められている火力発電。
大きなエネルギーを持つのは確かに魅力ですが
原発を中心に据えてしてしまうとどうしても
電力は上流から下流へ流すものという川のような
既存のエネルギー供給体系は変えられません。
50kW太陽光発電所もただ電力を
供給するだけではなく電力が余る時間帯には
エネルギーを別の形で蓄えられるようにすれば
系統に供給する電力を平滑化させることが
出来るようになります。
今のところ小規模の余剰電力を有効利用するのに
一番効率がいいのはエコキュートでしょう。
夜中に使わない電力を熱(お湯)として蓄えて
別の時間帯に使う。意外と知られていませんが、
熱電変換は効率はさほど良くないものの、
蓄熱と熱の移動については非常に効率が
いいものとなっています。
FITによって50kW太陽光発電所を
増やすだけでは確かにあまり意味は無いかもしれません。
しかし売買電を管理できるスマートメーターと
電力を有効に蓄えることできるエコキュートを
更に普及させる事が出来れば50kWの太陽光発電所が
分散型電源の主力として本領を発揮するのだと思います。
電力を供給側だけではなく需要側のコントロールも
することにより効率的な社会を構築するスマートグリッド。
その魅力がようやくわかりかけてきました。