力率制限と設備容量
50kW太陽光発電所の分譲レイアウトをさせていただいた業者さんからご連絡を頂きました。
電力会社から力率一定運転を求められたのでどう考えれば
いいかという事でした。
少しややこしいお話だったのでお客様と電力会社とのお話を
直接聞いて対応することに。
こちらは50kWを8基分譲して設置する予定だったのが
100kW分しか配電線の容量にあきがなかったとか。
しかし80%の力率一定運転をすれば
360kWまでは系統連系出来ると電力会社さんから
回答があったそうです。
力率一定運転とは?
力率80%とは皮相電力のうちの有効電力の割合です。・・・なんのこっちゃっていう話ですよね。
細かいお話は知らなくていいです。交流の不思議パワーくらいに
思っておいてください。
知っておいていただきたいのは結果です。
例えば太陽光発電所で50kWのパワコンがフル稼働しているとして
通常であれば50kWの売電が出来ますが、力率80%だと
40kWしか売電が出来ないことになります。
これはピーク時の力率制限ではなく力率一定運転なので
例えば30kWの発電をしている時も20%カットされるので
24kW分しか売電が出来ないことになります。
今回のお話に当てはめると360kWとなると
発電所1基あたり45kW。
80%で45kWなので100%だと56.25kWになります。
これはパネルではなくパワコンの容量になので
パワコンを56kW分設けるということはパネルを
50kW未満にしないと高圧扱いに?
考えてもしかたがないので電力会社さんに
電話をすることにしました。
高圧トランスのない高圧発電所?
電力会社さんによると、電力会社としては設備容量ではなく出力の容量で判断するので
パワコンが56。25kWだったとしても
80%の力率一定運転がされていれば
45kWの発電所として契約するです。
これは電力会社のお話なので通常の商取引なので
もちろん大丈夫だろうと思っていましたが。
では電気事業法的にはありなのかと聞くと
「あ、確かにそこは盲点ですねぇ」
との回答が。
仕方がないので経済産業局に連絡をしたところ
「設備容量はあくまでもパワコンかパネルの
最大出力になります。力率一定運転をしても
元のパワコンが50kWの以上なら高圧施設です」
とつれない答えが。もちろんお役所なので
勝手な判断をすることは出来ないのはわかっています。
しかし高圧トランスもないのに高圧の発電所と言われて
主任技術者を用意しなければならないとは変なお話です。
「高圧の設備認定を受ける時点でこの矛盾は解決するだろうし
電力のほうが低圧扱いなら21万円もかからないから
まぁいいだろう」
と思い電話を切って電力会社さんとオーナーさんに報告をしました。
すると電力会社さんが経産局に連絡をしてくれたようで
後ほど設備認定も低圧扱いだとのオーナーさんに連絡が来たそうです。
力率一定運転を求められたら
ちなみにこの力率一定運転は再生エネ法的に電力会社が求めていいかは限りなく黒に近いグレーゾーンです。
以前、某西日本の電力会社さんに行ったときは
「こちらが強制するわけにはいかないのですが、
お願いということで」
と力率一定運転を求められたこともあります。
時間的余裕があれば粘って交渉してみるのもいいかもしれません。