【お花畑思想から現実に目覚める】
事業計画の本を読んでみるたものの具体的に何をしたらいいか全くわかりません。
それもそのはず。読む本を間違っていたのです。
事業計画を書かなければいけない状況をざっと考えてみると
1.経営企画部に所属する人が銀行から融資を受ける時
2.社内向けの新規事業企画を経営幹部に説明する時
3.ベンチャー起業家が出資者に説明をする時
1は既存事業で確実に黒字になるように見せて融資を引き出すためのテクニック。
事業計画と言うよりは粉飾決済マニュアルのようなものでした。
これはこれで勉強になりましたが・・・。終身雇用が保証されていない昨今、
業務委託で会社と契約するのが正解なのかもしれません。
2は自分のアイデアをいかに会社に採用させるかのテクニック。
思いついた事業がいかに会社にとって有益かを数字ではなく
経営理念にどれだけのっとったものであるかアピールした方が
採用率が高いと勧めるいかにもサラリーマン的な処世術の本。
3が必要なのに私が借りてきた本は1と2だったので全く内容が違いました。
3の書き方はすぐには思いつきませんでしたが、
1と2が自分が求められているものと
違うことはすぐに分かりました。
仕方なく本に頼ることを諦め、
必要となるものを自分で仮定して考えることに。
相手は億単位の収入がある経営者です。
小さく投資した会社が年に数%の配当を出す程度で
残り続けることなんて望んでいない事はわかっています。
夢は大きく、かつせっかく自分でやるのだから好きな事をやり
現実的に売上が立つ事業計画を考えました。
しかしやりたい事はすぐに書けるものの売上を考えると
どれもまともな事業にはなりません。
サラリーマンとして売上を上げることと会社を経営することの差を実感し
サラリーマンという立場のありがたさを知りました。
と同時に居心地のいいサラリーマンで居続けていたら
自分がどれだけの可能性を潰したと考えてゾッとしました。
自分の力で生きていくことを真剣に考え始めた瞬間でした。
お花畑から一歩踏み出て向かう自由な地が不毛な砂漠である可能性を
否定できず恐れが会ったことも事実でしたが。
【儲かって自分も楽しく社会の役にも立つこと】
当時は現在と比べても同じくらいの超就職氷河期。
多少は名の通った大学を卒業しても就職先は保証されず
まだ珍しかったフリーターの増加が社会問題となり始めていた頃。
前職で全国の大学の教育現場を見てきた私は
大学を卒業するのが目的だった学生が当たり前に親のすねをかじり
どこの会社にも必要とされず腐っていく様を目の当たりにしていました。
そして当時、自分も似たような状況にあるフリーターでしたので
能力はありながら埋もれている人達と毎日接していました。
就職もできないような大学には行かなければいいのですが、
理科や数学が嫌いだからと就職率の良い理系を避ける学生はかなり多い。
4年間総額で5百万円前後払ってフリーターになるなんて本当に馬鹿馬鹿しい。
だったら自然科学やものづくり好きになるきっかけを与える商売がしたい。
しかし、ただものづくりをしても仕方がない。
40年まえのラジオ工作少年が電子技術者として活躍したり
20年前のパソコン少年がIT技術者として年収数千真延々を得たりというような
数年後の社会のニーズにマッチしたものでなければもったいない。
結論として出たのが太陽電池工作塾の経営及びFC化。
ちょっとした自家発電やソーラーカーレース用の車両作製などを
大人も子供も楽しみながら学んでいける場を作りたい。
そこから日本の将来を担う技術者や学者をたくさん育てたい。
部材や家賃、社会人スクールや学習塾の相場など
調べながら何とか作ったWordで10ページ程度の拙い事業計画書を片手に
会長の元を再び訪れたのは2週間後でした。