(写真出典:http://creativecommons.jp/)
原発による発電コストを計算してみました。
すると11万3660円/kWhという膨大な数字に。
これは誇張した数字ではなくどちらかと言えば
出来るだけ小さくした数字です。
▼未来から借金をする条件
新婚だった7年前、マイホームを購入しようと思った時に初めてローンの存在を意識しました。
夫婦共働きで予算は最大4000万円ほど。
もちろん35年ローンです。
貯金も100万ほどしかない私に
4000万円の家が買える保証が
あるというのが非常に不思議でした。
でもこれって私の信用ではないんですよね。
住宅を購入する際、ローンを組むと必ず
その家を担保に入れることになります。
金融機関はもし私のローン返済が滞ったら
転売する事により貸し倒れを回避しますよね。
4000万円のうち、この住宅転売による信用が半分で
残りの半分が私と妻の返済能力に対する信用です。
そして35年という返済期間は日本の住宅の
耐用年数からきています。
では原発はどうでしょうか。
原発の寿命は長く見て40年です。
もちろん転売はできませんので価値としては
生産する電力のみとなります。
1基100万kWの原発が50基、365日フル稼働して
作ることの出来る40年分の電力を計算すると
1.752✕10^13kWとなります。
では、かかるコストはどうなっているかというと
作るのにだいたい1基あたり1兆円となっています。
ここに燃料費やら色々とかかってくるのですが
こちらはあまり大きな問題ではありません。
▼10万円分の保管費用
原発を運転すると使用済み核燃料が出ます。これを再処理したものは最大10万年
保管しなくてはなりません。
小泉首相のオンカロ視察後の話によると
2キロ四方のスペースを作ってようやく原発2基分の
放射性廃棄物を保管できるとか。
この50倍を保管するとなると維持管理費だけで
相当掛かりそうですよね。
この費用はどこにもデータがないので仮に
年間1億円とします。安く見積もり過ぎですが
気にしないでおきましょう。
原発の稼働が終わり、再処理された放射性廃棄物の
保管が始まります。もちろん原発は電気を生産していないので
何の価値もありません。
それどころか経済社会が誕生してから世界は
毎年平均2〜3%のインフレが起こっています。
つまり毎年保管費用は平均2〜3%づつ上がることに。
もちろんインフレが起これば通常は収入も上がるのですが
原発は稼働を終えているため1円も入ってきません。
それどころか毎年2%づつ管理費用が上がっていくのです。
仮に2%として計算してみましょう。
2年目の保管費用は1億200万円、
累計で2億200万円です。
3年目の保管費用はさらに2%上がるので
1億404万円、累計で3億600万円ほど。
では100年になるとどうなるか。
1年の保管費用は7億1千万円ほどに。
累計では312億円に。まだ可愛いレベルです。
300年になると1年の保管費用は372億円に
累計で1兆8961億円に。まだまだ残り99700年もあります。
1000年が経ちました。1年の保管費用は4京円、
累計は200京円。ちなみに1京円=10,000兆円です。
この時点でkW単価は冒頭に書いた11万3,360万円に(笑)
では10万年になるとどうなるかというと・・・
計算できませんでした。
というのもエクセルを使って計算したのですが
エクセルで計算できる最大値である
9.99999999999999E+307
を超えてしまいエラーに。
将来にツケをまわすって怖いですね。
保管費用だけでこれだけなんです。
たかが40年のために未来から借金をすることの馬鹿馬鹿しさが
わかっていただければ幸いです。
さぁ頑張ろう再生可能エネルギー。